竣工:2023年2月
掲載:Replan北海道 Vol.142
撮影:古瀬 桂

設計:合同会社 永田大建築設計事務所
施工:合同会社 永田大建築設計事務所(設計事務所による工事請負方式)

市街化調整区域の建築は、乗り越えなければならない壁が沢山ありました。恵庭市役所と協議を繰り返し、一歩一歩ゆっくりと進んでいきました。遠い道のりでしたが、諦めずに目の前の課題をクリアする事がなによりの近道でした。それらをやりきって、遂に2022年8月から工事がスタートし、2023年2月まで駆け抜けてきました。

はじめて敷地を訪れた時。印象的だったのは森に沿って続く道。この道に寄り添う様な建築をイメージしました。LDK・廊下・洋室全てが道と共に流れる様な空間構成。北側が森、南側がご両親の住宅。北側の森を常に感じれる様に、大開口を設け、東、南の光はハイサイドライトより取り込む計画としました。西日が入りにくい、1日中明るい彩光計画としました。直線的な空間構成とコンクリート、白木、白 内装のシンプル素材が空間に緊張感を与えアート空間の様な凜とした空間となりました。

多くの時間がかかりました。いつも明るくポジティブなS様、工事が遅れる事もポジティブに捉えてくださり、しっかりと確認と修正を行い完成度を高めた状態でお引き渡しを迎える事ができました。有難うございました。工事を陰ながら支えて下さったお隣に暮らすご両親にも、感謝の気持ちでいっぱいです。有難うございました。

お引き渡しは、建築士にとって我が子を世に送り出す感覚に近いものがあります。思いを込めて作った建築をお引き渡しする寂しさを感じつつ、生活が始まるS様ご家族に喜んで頂ける事、そして、ゆっくりと休んで頂ける事を心から願い、お引き渡しを行いました。S様ご家族と多くの時間を過ごせた事、住宅について共に真剣に考えた日々、最高の思い出となりました。有難うございました。