2023年 08月 18日

多くのプロジェクトで、コンクリート埋設床暖房を採用しています。

ボイラーで温めた不凍液を、厚さ150mmコンクリート床に埋設した樹脂配管に循環させる事で、コンクリートを温めます。そのコンクリートから足裏に直接的に熱を伝える伝導熱と、コンクリートに蓄熱された熱で部屋全体を温める輻射熱。この2つの熱で、温めます。建築用語では、床暖房という名称となっていますが・・・床コンクリート蓄熱暖房という名称が、正確な名称になるかもしれません。


コンクリートに仕上げ材を直接はります。仕上げ材の選択肢は、床暖房に対応した、フローリング、タイル、ビニール床タイル、コンクリート打放し塗装仕上げ等、内装仕上げの選択肢は、一般的な内装仕上げの選択肢と変わりません。弊社プロジェクトでコンクリート床に直接内装床仕上げ材を貼った参考事例写真をアップロードしますね。

なぜ床コンクリート蓄熱暖房を採用しているのか?

この方式は、コンクリートの蓄熱体がある事で、熱を蓄熱する事ができるため、エネルギーロスを少なくする事ができます。

具体的に説明します。

厚さ150mmコンクリート(蓄熱体)で覆われた暖房配管内の不凍液を温め、配管を覆っている床コンクリートを温める事で、暖房します。蓄熱体である温められた床コンクリートの伝導熱が直接人を温め、空間全体を輻射熱が温めます。そして、温かいコンクリートで覆われた、暖房配管内の不凍液も保温する効果があるので、コンクリートに熱を蓄熱している間は、床暖房を止めても、再暖房する時の立上りエネルギーロスは最小限におさえる事ができます。つまり、コンクリートが温かい状態で、寒く感じない温度が維持できている間は、ボイラー(暖房)をオフにしても良く、暖房ゼロエネルギー時間をつくる事ができます。

暖房ゼロエネルギー時間を増やす事ができれば

省エネルギー = 節約

できます。

24時間ボイラーを可動するの事が、セントララルヒーティングの常識。と一般的には言われています。

弊社の建築では、ライフスタイルに合わせてタイマー設定をする方法を推奨しています。ご自身のライフスタイルに合わせ、タイマー設定とルームサーモ温度設定をして頂きます。床コンクリート蓄熱暖房を採用する際は、ルームサーモは必ず設置します。以前は、温水温度で床暖房の温度管理をしていたのですが、室温コントロールが難しい事と、エネルギーロスが大きい事が自宅建築(唐松)で実験検証できた事から、温水サーモからルームサーモへ切り替えました。

例えば、私の自宅(作品集 唐松)の場合は、タイマー設定を、朝3時〜9時、15時〜21時 ボイラー可動します。暖房ゼロエネルギー時間は、9時〜15時、21時〜3時の間はボイラー暖房しない時間となります。つまり、12時間はボイラー暖房ゼロエネルギー時間を獲得できます。暖房ゼロエネルギー時間は、床コンクリート蓄熱エネルギーで暖房します。暖房ゼロエネルギー時間に外気温が急激に下がると、床は温かいけど、空間の気温が下がり寒くなってきたと感じた場合は、補助でエアコン暖房か薪ストーブを併用しています。

一般的なセントラルヒーティングは・・


パネルヒーター
パネルタイプの床暖房
床下空間・天井懐空間を暖房する間接床暖房

すべて共通するのは、ボイラーで温めた温水を樹脂配管を通しておくり、それぞれの放熱体から、空間全体を輻射熱で暖房します。

違いは、蓄熱体の存在と蓄熱体のボリュームの差です。

厚さ150mmコンクリート(蓄熱体)で覆われた暖房配管を温水で、直接的に温める方法が、蓄熱コンクリートの熱が空間を温め、配管内の不凍液も保温する効果があるので、最もエネルギーロスが少ない事は、イメージするとわかると思います。